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トイレで爽やか
 男性用トイレの前に女性が立っていた。その前を通って中に入ろうとすると、入れ違いに男性がひとり出てくるところだった。彼女の連れの人だろうとなんとなく思っていたらそうではないらしく、彼はこう言った。
「いや、いませんけど?」
 それを聞いた彼女は驚いたように、
「え!?いませんか!?4才の男の子なんですけど・・・」
 と答えた。どうも彼女の子供が見当たらないらしい。男性は戻ってくると個室(2つあった)の隅々まで見て回り、再び彼女に告げた。
「いや、やっぱりいませんけど・・・」
「え!?」
 もとよりそれほど広いトイレではない。見回るまでもなく男の子などいないのはすぐにわかる。あ、これは騒ぎになるかもと思った時、なんのことはない、すぐ隣に併設されていた多目的トイレの中に男の子がいるのがわかって事は落着した。この間15秒ほどか。
  
 三たび戻ってきた男性にぼくは思わず、大変でしたねという感じで笑いかけた。普段こんなことはめったにない。彼も苦笑しながら「いや、全然知らん子ォなんですけどね・・・」と言った。ぼくは並んで用を足しながら、いて(みつかって)良かったです、と短く返し、先にトイレを出た。

 エピソードとも言えないほどのささやかな出来事だが、何か不思議な後味があった。普段、見も知らぬ人に笑いかけたりすることは殆どないのに自然に笑顔が出たこと、それに対して彼もまた自然に応じてくれたこと。お互いひと言ずつのやりとりではあったが、そこに一瞬生まれたのは大袈裟に言うなら「純粋な交流」だったのかも知れない。

 日頃はメールや電話にせよ対面にせよ、連絡事項なり何かの目的があって人とコミュニケーションをとることが殆どだが、こういった「無目的な」交流もたまにはいいものだ。暮らしの中の彩り、とでも言おうか。

 よし、今日からトイレでは他人に微笑みかけるようにしよう。

 ・・・え、それは違う!?

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未分類 | 11:27:39

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